司馬遼太郎が「坂の上の雲」で現代ビジネスマンに
残した教訓
白川零次先生(作家)
作家、白川零次先生による司馬遼太郎「坂の上の雲」の司馬史観とその解説から、現在の日本が抱える問題提言を50分にまとめ、講和して頂きました。
司馬氏は日露戦争の発端は、このままでは日本はロシアにつぶされる、とマスコミ含めた恐怖感のあおりが国民を一つにし、祖国防衛戦争へと繋がった、との見解を示しました。
日露戦争による主な功罪は次の通りです。
功 ・日英同盟締結。日本の国際的地位(信用)の向上、外債手当ての順調
化。
・ロシアに対する牽制力の拡大。
・条約の成立。等
罪 ・軍部のおごり、機密主義による国民の暴発。軍部情報とマスコミに扇動
された暴動事件発生。
・韓国植民地化に際して軍事政権の確立。
・軍部の国家独裁、ファシズム体制への流れ。等
日露戦争の経験から、司馬氏の日本近現代史における40年サイクル説を検証しました。
日露戦争までは幕末維新の志士達、近代国家への真摯な努力から成る上り坂40年、日露戦争勝利による軍部、国家、国民の奢りに起因する暴動、侵略、太平洋戦争へと繋がる下り坂40年。
太平洋戦争後の高度経済成長、バブルに繋がる上り坂40年、バブル経済崩壊による下り坂の現在。次のボトムは2025年か・・・。
昨年3月、福島原発事故がありましたが、原発操業から40年に発生したこの事故も40年サイクル説が当てはまるのではないか、という検証を司馬史観から白川先生がまとめました。
司馬氏は過剰文明、過剰欲望が日本をダメにし、このサイクルを引き起こす要因である、と警告しました。
高度経済成長に伴うおごり高ぶりが、日露戦争への突入や原発事故の発生要因に繋がり、そして、共に悲劇的な結果になりました。
その反面、原爆投下された日本では、67年間戦争がなく奇跡的に平和の時代を迎えられたことは世界に誇るべき事と司馬は評しています。
歴史観から、私達は学ぶべき事がある事を、白川先生の講和から気付かされました。
ありがとうございました。
記録 幹事 原 健一
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